MBAで教えるExcelソルバーの使い方

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MBAのビジネス講座 > エクセル > ソルバー

ソルバーとはエクセルで表現したモデルの中で、解が最大/最小/指定値となるような変数を探す為の最適化計算ツールです。数学の知識など少しもいらないところがソルバーのすばらしいところです。

 

僕が良く使うのは、幾つかの銘柄の株に投資をしたいが、所与の予算とリスクと株数の条件を満たしながら、シャープレシオ（リターン÷リスク）が最大となるようなポートフォリオ構成するときに使います。 （ポートフォリオ理論を参照してください。）例えば、３０銘柄の中で、個別銘柄ごとの過去の値動きと、将来リターンの想定から、投資額をどの銘柄にどれだけ割り振れば最もリスク調整後のリターンを最大化できるか？という計算です。以下は実際のモデルですが、B2に数式で組んだシャープレシオを最大化するために、D８以下で設定した制約条件（投資額の大きさ、特定銘柄の割合、売買に使えるキャッシュポジション等）を満たしながらどのファンドを売買すれば良いかを教えてくれます。

　

 

またMBAでよく紹介される事例として、オペレーションなどがあります。航空会社が燃料費を最小化しながら売り上げを最大化させるような航空便の設定につかったり、レストランのオーナーがいつバイトを何人確保すれば人件費を最小化しながらも客のオーダーをスムーズにこなせるか等を計算するのに使ったりします。

 

エクセル2010　ソルバーの起動

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データ→ソルバーで呼び出します。

 

ソルバーが表示されていない場合は、ファイル→オプション→アドインで下記の画面を呼び出し、ソルバーアドインをクリックしてOKしてください。

 

エクセルソルバーによる最適化計算

エクセル・ソルバーによって最適化計算をする流れは、

1. エクセルを使って、何かモデルを作る
2. そのモデルにおいて解を最大化・最小化・既定の数字にするような変数をソルバーを使って見つけ出す。

となります。エクセルソルバーの詳しい解説は以下の本に委ねますが、重要な注意事項として、if, count, sumif, min, max, absなどのリニアとならない関数をモデルで使用しないということです。これらの関数はターゲットとなる数値をデジタルに変化させてしますので、ソルバーが正しい答えを導きだせなくなる可能性があります。

これを回避する為に、ソルバーに探させる解を以下の２つのステップに分解するテクニックを使います。

1. 普通にソルバーに解を探させる作業
2. その解を使うかどうかの選択(1,0のﾊﾞｲﾅﾘｰ)

①と②を掛け算することにより、①で得られた解に②でゼロが入っているとすると、あたかもif関数で数字が突然わかれるような表現が可能になります。

このようなちょっとしたテクニックを覚えれば、誰でもこれらの関数を用いずにモデルが組めるようになります。

ソルバーに関する日本語の本は「新版 Excelでできる最適化の実践らくらく読本―ソルバーで自由自在に解く 」しかないようです。著者は苅田 正雄, 上田 太一郎 , 中西 元子の共著となっていますが、上田先生の本は非常に実践的なのが特徴です。僕は他にも「データマイニング事例集」を持っていますが、これもお勧めの本です。（これは最適化計算とは関係ない、名前のとおりデータマイニングの本です。他の必読書はBest テキストコーナー和書編にまとめてあります。）

 

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